五十嵐ワールドを読む

冷たい雨が降っています。 寒い。 家から出たくない。
仕事も休みだし・・・・。

連休中、久々に2冊一気読み。 五十嵐ワールドを楽しみました。

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    五十嵐 貴久 著
← 「TVJ」
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               2005年のロケットボーイズ→






まずは、「TVJ」

テレビジャパンは開局40周年を迎え、お台場に新社屋の完成を記念して特別番組の72時間ナマ放送が始まろうとしていた。
時を同じくして、謎の武装集団が地下駐車場に警備員の目をくぐりぬけ潜入に成功していた。
そして、生放送とほぼ同時にスタジオを並びに新社屋の心臓部であるフロアーを占拠。
また、社員を人質にとり、かけつけた警察との交渉も 生放送を行っていたカメラクルーやアナウンサーを利用し進められていった。
果たして、犯人の目的は何なのか? 高層ビルで起こったこの事件を解決する方法はあるのか?

ありえな~い!!!と思いつつ、何故か手に汗にぎる攻防と事件展開の面白さにあれよあれよというまに読みきった。
どこかの大国の映画を見ているような感覚に陥りながらも、陰惨にもならず、事件一日の出来事を分刻みで犯人側、警察側、そして、この物語の鍵を握る主人公の視点から、最後までスピードを落とすことなく読める作品だった。



もう一冊は「2005年のロケットボーイズ」

主人公カジシンは、高校受験の時に不運の事故にあい、都立受験ができなかった。退院後、もう選択肢の無い中で決めた学校は 本人バリバリの文系なのに工業高校。
当然のように放課後はパチスロに通い、喫煙、挙句の果ては飲酒による急性アルコール中毒での入院。
ここで、学校からお呼び出しをくらう。
退学処分となるところを、交換条件のように教師の口から飛び出した命令は「キューブサットコンテストへの参加」
「キューブサット」が何なのかさっぱりわからないまま引き受ける羽目に。
ここが、カジシン人生のターニングポイントだったのかも。
幸か不幸かカジシンのクラスには 変わった奴らが揃っていたし、家族もこれまた変り種が揃っていた。
あり得ないメンバーであり得ないプロジェクトに取り組む姿をコミカルに描いていく作品だった。

う~む、こうも宇宙だ、ロケットだ、と理工系の話に読みきれるのか?と思っていたが、そこは文系出身の五十嵐さんの作品。
私には、チンプンカンプンの用語を省いても(笑)、十分に楽しめた。
理系の話題なんだけれど、物語の底に流れているのは、人間の心を見つめた文系的視点。
プロジェクトに参加したメンバーそれぞれの動機が何であれ、最後には人を動かし、心が一つとなり成し遂げたこと。
カジシンの母の言葉「何の役にも立たないことを頑張ったからステキなんじゃないの。・・・・・(略)・・・・・下らないこと、つまらないことに一生懸命になれるから偉いんじゃないの」
ほんまにねぇ~、母として私もこういう寛大なお言葉、発してみたいものです

もひとつ オマケで笑えたのは、参考資料の後の箇条書きの中の一文。

小説内での内容・用語などはすべて五十嵐貴久の解釈によるもの・・・・・・(略)・・・・・・・なので、特に理科系専門職の方々は
              大人気なくツッコミを入れたりしないように。

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by hello02 | 2008-11-24 15:52 |