完全KO負け

負けた・・というより、参りました、と言うべきかな?
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垣根 涼介 著
『ワイルド・ソウル』を読了








なんだろう? この野性的な不思議な魅力がたまりません(笑)




垣根 涼介さんという作家の魅力はなんだろう?
この人が描き出す作品からは、私が持ち得ない肌の感覚、嗅覚・・・、
ありとあらゆる感覚のレベルの違いを感じる。
でも、そのレベルの違いが違和感ではなく、この平和ボケした私の鈍い感覚を
覚醒させるようなパワーとして入ってくる。
この「ワイルド・ソウル」を読み終わって、そのパワーにノックアウトされた。


物語は、戦後のアマゾン移民「エトウ」が12年ぶりにかつての入植地クロノイテへ仲間の安否を確かめにいくところから始まる。

移民船「サンパウロ丸」に乗った人達は、日本から遠く離れた地球の裏側の国に希望を持って乗り込んでいた。 
誰もが自国を信じ、疑いもしなかった移住の話。
しかし、それは地獄の始まりでもあり、それは、呪われた運命でもあったのだろうか?
そして、そこで生きていくしかなかった人々の怨嗟・絶望・孤独・貧困・屈辱など、到底日本へは届くこともなかった。
かろうじて生きていく中で 自国に裏切られたという事実がやがて「復讐」へと・・・。

垣根さんが自分の足で歩いて肌で感じたであろう感覚が、物語の冒頭部分だけでもヒリヒリと伝わってくる。 異国の地にいってこそ感じるもの。 逆に異国の地で見えてくる「日本人」という存在や考え方。
そして、日本人の「個」の世界、周囲の目を気にする感覚。 それが、地球の裏側に住む人達から見ると、ちっぽけなプライドにしか映らない。
そういう中でこそ、教えられることがあるのかもしれない。
「おれはその相手から受けた恩をおまえに返す。 おまえもこのおれから受けた借りをいつかは誰かに返す。そういうふうにして、世界は繋がってゆく」
そんな風に周囲に広がっていく世界を想像できる感覚を持って生きていっているだろうか?
そんなことを思いながら、完全に垣根ワールドに魅了されてしまった。
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by hello02 | 2008-01-13 23:57 |